KIM&CHANG
Newsletter | December 2015, Issue 3
銀行
金融会社の支配構造に関する法律案制定
金融会社の支配構造に関する法律案(「支配構造法」)が201576日に国会本会議で議決され、2015731日に公布され、201681日から施行される予定です。支配構造法は、これまで各金融業界ごとに異なっていた支配構造に関する事項を統一的かつ体系的に規律するという特徴を有しており、金融委員会が201412月に施行した金融会社の支配構造模範規準の延長線上にあります。支配構造法は、特に、証券、保険などノンバンクに対する大株主適格性審査制度を導入したという点で、既存の各立法とは違いを見せており、その主な内容は次のとおりです。
1. 適用対象
国内の金融会社一般に包括的に適用され、外国金融会社の国内支店に対しては、役員の資格要件、内部統制及びリスク管理に関する規定など一部の条項が選別的に適用されます。特に、支配構造法では、資産規模、営む金融業務等を考慮して、大統領令で定める金融会社の場合、支配構造において緩和された要件を適用できるように例外を認めていますので、今後制定される施行令がその適用範囲において重要な変数として作用すると考えられます。
2. 主な内容
ŸŸ 社外理事の資格要件及び役員候補推薦手続の強化:
社外理事に対する欠格事由が拡大されて積極的資格要件が導入され、役員候補推薦委員会は3人以上の委員で構成するものの、社外理事を総委員の過半数になるようにするなど、社外理事を中心に委員会が構成・運営されることとしました。
ŸŸ Ÿ社外理事中心の理事会の構成及び理事会の権限の強化:
現在、金融業界ごとに異なる社外理事の数を原則として3人以上及び理事総数の過半数とするものの、大統領令で定める会社は理事総数の4分の1以上になるようにしており、理事会の審議・議決を経なければならない事項を具体的に明示して、これを金融会社の定款に規定することとし、理事会の権限及び責任を具体化しました。
ŸŸ Ÿ支配構造の内部規範の制定及び開示:
理事会の構成と運営、理事会内の委員会の設置、役員の成果評価及び経営承継に関する事項など支配構造に関する原則と手続を規定した支配構造の内部規範を制定して開示することとしました。
ŸŸ 社外理事中心の監査委員会の構成及び監査委員の資格要件、選任手続の強化:
監査委員会は3人以上の理事で構成するものの、そのうち社外理事が3分の2以上になることとしました。また、社外理事でない監査委員に対しても社外理事の資格要件に関する規定を準用し、監査委員の選任においても、社外理事である監査委員1人以上は、株主総会で別途に選任手続を経るようにして独立性を強化しました。
ŸŸ リスク管理制度及び報酬体系の改善:
各種取引で発生するリスクを適時に認識、評価、監視、統制するためのリスク管理基準を設け、リスク管理委員会とリスク管理責任者を置くこととしました。また、報酬の決定及び支払方法などを審議・議決する報酬委員会を設置し、報酬の一定比率以上を成果に連動させるものの、成果報酬を一定期間繰り延べて支払うこととしました。
ŸŸ 大株主の周期的適格性審査制度の導入:
すでに大株主適格性審査制度が導入された銀行などを除き、保険、証券などの金融会社に対し、金融委員会が一定の期間ごとに筆頭株主のうち最多出資者1人(個人)の資格要件を審査し、一定の要件を満たしていなくとも是正措置を下せることとしました。又違反事項の程度によっては、一定水準以上の保有持分に対し議決権の行使を制限できることとしました。ただし、立法過程で議論となった一部事項(適格性要件の中に横領、背任などの処罰根拠となる特定経済犯罪加重処罰などに関する法律違反を含めるかどうか、是正措置の中に処分命令を含めるかどうか)は除外されました。
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