KIM&CHANG
Newsletter | September 2013
訴訟
大韓商事仲裁院での第1号国際仲裁事件
最近、大韓商事仲裁院で第1号目の国際仲裁事件に対する判定が下されました。事案の概要は、下記のとおりです。
申請人である保険会社は、造船所二ヶ所に前払金返還保証(Refund Guarantee;RG*)を発行した後、被申請人である再保険会社に上記RGに対する再保険に加入しました。当該造船所のワークアウトが開始されると、船主は自身が保有している前払金返還保証を実行し、申請人は船主にRG保険金を支払いました。その後、申請人は被申請人を相手に再保険金を請求しましたが、被申請人は支払いを拒否しました。これに対し、申請人は被申請人を相手取り再保険金を支払えという内容の仲裁を提起しました。
この事案の主な争点は、造船所のワークアウトが再保険金請求権の発生事由になるか、造船所がワークアウトに突入する可能性について、申請人保険会社が被申請人再保険社に告知する義務が認められるかどうかでした。結局、仲裁判定部は申請人の主張を全面的に受け入れ、被申請人は申請人に再保険金の全額、仲裁費用の全額、法律費用の相当部分を支払えという判定を下しました。
本件は大韓商事仲裁院で扱われた第1号目の国際仲裁事件であり、英国のグローバルローファームが代理した再保険会社を相手に、韓国の保険会社を代理した当事務所は、韓国法の専門家、造船及び保険業界の専門家などとの協力で、テレビ会議(video conferencing)による証人尋問まで行い、最終的に仲裁判定部を説得するのに成功しました。
特に、準拠法の争点で韓国法が適用されるという有利な一部判定を引き出し、これを基に本案でも全部認容判定を勝ち取ったという点に意味があります。また、仲裁判定が弁護士費用の相当部分を被申請人に負担させるのも異例であり、今後、大韓商事仲裁院で下される仲裁判定において、敗訴者に弁護士費用を負担させる判定が続くかも注目される事項です。
* 前払金返還保証(Refund Guarantee;RG):船主は船舶を注文する際、前払金を支払うが、その後船舶が契約通りに引き渡されない場合に備え、銀行や保険会社でRG保険に加入する。船主はきちんと船舶の引渡しを受けられない場合に、金融機関から代わりに前払金の返還を受けることができる。
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