KIM&CHANG
Newsletter | September 2013
知的財産権
特許権とデザイン権に対する権利保護手段が国境措置にまで拡大
2010年10月6日に締結された大韓民国とヨーロッパ連合及びその加盟国間の自由貿易協定(「韓国-EU FTA」)は、韓国でも特許権とデザイン権に基づいた国境措置を導入することを規定しました。これを受けて2010年12月30日に改正された関税法では、輸出または輸入が禁止される知的財産権侵害物品に特許権とデザイン権を侵害する物品が新たに追加されましたが、当該条項の施行は韓国-EU FTAの発効日から2年になる日まで猶予されていました。
去る2013年7月1日は韓国-EU FTA発効日から2年となる日で、同日から特許権及びデザイン権侵害物品に対する国境措置を規定した上記改正関税法の条項が施行となり、関税庁はこの制度を施行するために「知的財産権保護のための輸出入通関事務処理に関する告示」(「告示」)を改正しました。改正された告示は、特許権とデザイン権に基づいた国境措置の細部手続を規定しており、権利者と輸入者を同等に待遇することができるように体制を整備して、2013年7月1日から施行されています。
上記法令及び告示により、税関では特許権及びデザイン権を侵害する物品を通関保留または留置することができます。このような国境措置は特許権者やデザイン権者の要請によって行うこともできますが、上記権利を侵害したことが明白な場合には、税関長の職権でも行うことができます。
上記のような国境措置が施行されたことで、国内の特許権またはデザイン権を保有している権利者らは、侵害行為に対し既存の侵害訴訟提起、権利範囲確認審判請求、貿易委員会への提訴などに加え、新たに迅速な手続の権利保護手段を持つことになりました。 特に、税関による国境措置は、他の権利保護手続に比べて各種手続が迅速に行われ、韓国内への輸入だけでなく、外国への輸出まで禁止させることができ、その波及効果が大きいという面で、特許権者及びデザイン権者にとって強力な権利保護手段になり得るものと期待されます。
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