1. 公正取引委員会の専属告発権の廃止 |
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現行の公正取引法、大規模流通業法、下請法によると、公正取引委員会の告発がある場合にのみ検察が公訴を提起することができましたが、これに対して公正取引委員会が告発権限を消極的に行使しているという論議がありました。2013年6月25日の国会本会議で議決された上記各法律の改正案はこのような論議を反映し、公正取引委員会が告発対象に該当しないと決定しても、監査院、調達庁及び中小企業庁が公正取引委員会に告発を要請することができ、このような告発要請がある場合、公正取引委員会は検察に必ず告発するようにしました。ただし、公正取引法上の談合の場合、自主申告者に対しては従来と同様に告発が免除され得る例外が認められます。 |
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上記各法律の改正法は、2014年1月17日から施行される予定であり、公正取引委員会は法施行に先立ち、検察をはじめ新たに告発要請権限が付与された機関と具体的な基準及び手続などに対して協議を進める計画であることを明らかにしており、今後、推移を引き続きモニタリングしなければなりません。 |
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2. 業務の集中発注の禁止など改正公正取引法の主な内容 |
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2013年7月2日、国会本会議で議決された公正取引法改正案は、現行の公正取引法(第23条第1項第7号)上の不当支援行為の成立要件を緩和して、非常に有利な条件の支援行為も規制できるようにする一方、不当支援を通じて実際に利益を得た者に対しても課徴金を課すことができるようにしました。また、特殊関係人に対する不当利益提供の禁止規定(改正案第23条の2)を新設し、違法性の判断基準を公正な取引を阻害するかどうかではなく、特殊関係人に不当な利益を提供したかどうかで定めました。改正法は2014年2月14日から施行される予定であり、法施行前に終了した取引に対しては従来の規定を適用し、法施行当時継続中であった取引に対しては法施行日から1年間従来の規定を適用することになります。 |
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本改正案は不当支援行為の成立要件を緩和しており、今後、公正取引委員会の不当支援行為の規制活動が現在より容易になるとみられます。また、不当支援を通じて実際に利益を得た者も処罰を受けることになり、会社間の取引を通じていない個人である特殊関係人(同一人及びその親族に限定)に対する支援行為に対しては、競争制限性を考慮する必要なく制裁可能になり、これからは個人である特殊関係人に対する法適用が強化されるものとみられます。 |
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3. 改正下請法の主な内容 |
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2013年4月30日に議決された下請法改正案 |
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下請法改正案は原材料価格の急激な変動により組合員である請負事業者の下請代金の調整に避けられない事由が発生した場合、中小企業協同組合が親事業者との間で直接単価の調整協議をすることができ、協議が決裂したときには下請紛争調整協議会に調整を申請できる権限を新設しました。併せて、損害賠償責任及び立証責任の転換規定を下請法違反行為全般に拡大し、「技術資料の流用」行為に対してのみ規定されていた「懲罰的損害賠償制(損害額の3倍以内で賠償)」も「不当単価引下げ」、「不当発注取消し」及び「不当返品」行為にまで拡大しました。また、改正案は「不当な下請代金の決定」の要件から「著しく」という要件を削除してその要件を緩和し、「継続的な取引契約で親事業者の経営赤字、販売価格の引下げなど請負事業者の責に帰すことのできない事由により請負事業者に不利に下請代金を決定する行為」を「不当な下請代金の決定」の類型に新設しました。本改正案は2013年11月29日から施行される予定です。 |
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2013年7月2日に議決された下請法改正案 |
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従来は、不渡り・破産などで親事業者が下請代金を支払えない状況で、請負事業者が保証機関に対し保証金を請求しても保証金を支払ってもらえず、請負事業者まで連鎖倒産するおそれがあり、また、下請取引契約の締結時に親事業者が請負事業者を相手に各種費用を負担させるなどの不利な特殊条件などを設定して請負事業者の負担を加重させる事例などが増加しており、これに関連する請負事業者の権利を保護する方向に下請法関連規定が改正されました。本改正案は、2014年2月14日から施行されます。 |
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4. 改正表示広告法の主な内容 |
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2013年7月2日の国会本会議で議決された表示広告法改正案は、不当な表示広告行為による被害者が公正取引委員会の是正措置確定前であっても、いつでも損害賠償請求訴訟を提起できるようにし、損害額認定制度を明文化しました。改正法は、2013年8月13日から施行されています。ただし、改正法施行前の表示広告行為に対する損害賠償請求権の規定を適用する場合は、改正法にもかかわらず、従来の規定によります。 |
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