KIM&CHANG
Newsletter | July 2017, Issue 2
保険
2017年金融監督業務説明会-保険分野の監督・検査部門の主な内容紹介
金融監督院は2017221日、2017年度金融監督業務説明会を開催しました。この日の説明会ではIFRS 17の軟着陸方策、RAAS中心の検査の活性化等に対する説明がありました。
責任準備金の適正性評価制度(LAT)及び支給余力(RBC)制度の整備等、2021年に国内保険業界に導入される予定のIFRS 17の軟着陸方策を中心に、今年の監督方向等について業界と意見を共有するために行われました。
保険分野に関する主な内容は次の通りです。
1. 監督部門
1) 自律と革新促進のための基盤づくり
多様な保険商品開発の誘導:ニッチ市場での保険商品の事前申告負担の緩和、オンライン保険の活性化
フィンテック時代に合わせた保険産業づくりのための各種障害物と規制環境の改善
2) IFRS 17に備えた軟着陸方策の用意
IFRS 17フレームに合わせた責任準備金適正性評価制度(LAT)の改善:負債評価割引率の段階的調整、負債増加額の一定比率を支給余力比率計算時に使用可能資本として認定する等の算出基準の一時的調整
支給余力比率に関連して保険負債デュレーションの段階的拡大、変額保険の最低保証危険額算出基準の改善
負債の時価評価等の健全性監督制度を時価基準に変更することで推進するものの、適用基準は業界の状況を考慮して弾力的に適用
3) 消費者信頼の基盤づくり
申込前の保険加入熟慮制度の導入、適合性原則適用商品の拡大
過度な保険金の不支給等を誘導する成果指標(KPI)体系の改善の推進
4) 監理体系の先進化
(1)キャッシュフロー方式の保険料算出(Cash Flow Pricing)の適正性点検等保険料算出の適合性検証の強化及び(2)不良商品の異常兆候時の疎明要求、経営陣面談、変更勧告等の即時対応体系の構築
商品開発に関する内部統制基準の遵守及び消費者保護のための手続遵守可否の点検
2. 検査部門
1) RAASの安着及び高度化
RAAS評価体系の改善
RAAS随時評価はリスク脆弱会社に対して実施、潜在リスク要因に対する企画・テーマ検査の強化
2) リスク要因に対する対応の強化
ストレステストの実施等を通じて健全性管理の強化を誘導、IFRS 17の施行に備えた責任準備金適正性等の点検
代替投資等の高リスク資産に対する投資に対する適正性の点検
3) 常時監視の活性化
健全性脆弱会社の密着監視:リスク要因分析、RAAS評価の優先実施
大株主又は系列会社との取引に対する周期的分析及び常時モニタリング
4) 消費者被害の誘発要因に対する点検の強化
消費者被害の誘発行為に対する関係部署間の連係検査の実施
正当な保険金支給慣行の確立のために保険金支給実態を集中点検
今後、監督当局はIFRS 17の導入に備えて資本金の段階的な追加積立の誘導、保険負債の実質価値反映のためのRBC保険負債デュレーションの段階的拡大等を試みるという立場であるため、各保険会社としては財務状況に合わせて現実的な基準が設定されるように監督当局との持続的な意見交換が必要でしょう。
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