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Newsletter | March 2016, Issue 1
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公正取引
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錦湖系列会社の企業手形満期延長事件、嫌疑なし処分
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公正取引委員会(「公取委」)は、錦湖グループの系列会社8社が2009年12月30日~31日の両日にかけて錦湖産業と錦湖タイヤが発行した企業手形(CP)の満期を延長した行為に対し、系列会社に対する不当な支援行為に該当しないと判断して嫌疑なし処分を下しました。
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錦湖グループは、2006年末に大宇建設を買収する際、財務的投資家から引受資金を調達し、株主間契約を通じて財務的投資家に株式売渡選択権(プットバックオプション)を付与しました。ところが、2007年から国内建設業の不景気が始まり、2008年の米国の「サブプライムローン問題」等全世界的な金融危機により大宇建設の株価が下落しました。それにより、2009年末には財務的投資家が株式売渡選択権を行使する可能性が高まったため、錦湖グループは2009年6月頃、主債権銀行と財務構造改善約定を締結して企業構造調整を進める一方、大宇建設の売却を推進しました。
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大宇建設の売却手続は2009年末まで比較的スムーズに進みましたが、当初の予想とは異なり、投資家側で資金調達が難しくなったことにより株式売渡選択権の行使時期までに売却手続を終結するのは難しいとの見方が強まり、その結果、錦湖グループはやむを得ず、錦湖産業及び錦湖タイヤに対して2009年12月30日にワークアウトを申請するに至りました。その過程で、錦湖グループの系列会社8社が、2009年12月30日~31日の両日にかけて錦湖産業と錦湖タイヤが発行した企業手形の満期を延長したところ、これに対して不当な支援行為の疑いで公取委の調査が開始されました。
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錦湖グループは当時、錦湖グループのすべての系列会社が主債権銀行と財務構造改善約定を締結して錦湖産業と錦湖タイヤに対してワークアウトを推進中であったので、企業手形の満期延長は実質的な企業構造調整の過程でなされたものであると主張しました。また、系列会社の企業手形満期延長は損失分担のために不可避な範囲でなされたものなので、不当支援行為の審査指針上、不当支援行為の例外に該当すると公取委を説得しました。その結果、公取委から当該企業手形満期延長は錦湖産業及び錦湖タイヤに対する不当な支援行為に該当しないという判断を引き出しました。
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本件で当事務所は、被審人8社のうち5社[アシアナ航空㈱、錦湖リゾート㈱、アシアナエアーポート㈱、錦湖産業㈱、アシアナIDT㈱]を代理して公取委の嫌疑なし処分を引き出しました。
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