KIM&CHANG
Newsletter | March 2016, Issue 1
人事・労務
2016年人事・労務に関する法令の主な改正事項
2016年度に新たに施行される、または施行が拡大する人事・労務に関する主な法令内容をご紹介します。
I. 6ヶ月未満の勤労者に対する解雇予告制排除条項(勤労基準法第35条第3号)の違憲決定
憲法裁判所は20151223日、月給勤労者で6ヶ月に満たない者を解雇予告制度の適用例外事由と規定している勤労基準法第35条第3号が、勤務期間が6ヶ月未満の月給勤労者の勤労の権利を侵害し、平等原則にも違背して違憲であると決定しました。
違憲であると決定された法律条項は、その決定があった日から効力を喪失します。従って20151223日からは月給勤労者で6ヶ月に満たない者についても勤労基準法第26条の解雇予告手続が適用されます。
II. 新規施行
1. 60歳以上の定年法制化を施行(雇用上年齢差別禁止及び高齢者雇用促進に関する法律第19条)
ŸŸ 2013522日、雇用上年齢差別禁止及び高齢者雇用促進に関する法律が改正され、勤労者の定年が60歳以上に法制化されました。
ŸŸ 上記規定は201611日から常時300人以上の勤労者を使用する事業又は事業場、「公共機関の運営に関する法律」第4条による公共機関、「地方公企業法」第49条による地方工事及び同法第76条による地方公団を対象に適用されます。201711日からは常時300人未満の勤労者を使用する事業又は事業場にも適用されます。
2. 退職金中間精算事由の拡大(勤労者退職給与保障法施行令第3条)
ŸŸ 退職金中間精算は勤労者退職給与保障法施行令上定められた事由がある場合にのみ例外的に可能です。従ってこれまで勤労者が賃金ピーク制の実施により賃金が減少する場合、退職金算定において不利益を被ることがあるという点が指摘されてきました(賃金ピーク制は上記事由に該当しないため)。
ŸŸ これに対して20151215日からは「使用者が既存の定年を延長したり保障する条件で団体協約及び就業規則等を通じて一定年齢、勤続時点又は賃金額を基準に賃金を減らす制度を施行する場合」又は「使用者が勤労者との合意により所定労働時間を1日1時間または1週5時間以上に変更して、その変更された所定労働時間により勤労者が3ヶ月以上継続勤労することにした場合」にも退職金中間精算が可能とされました。
3. 職場の保育園設置義務未履行事業場に対する制裁の強化(乳幼児保育法第44条の2、第44条の3)
ŸŸ 一つの事業場に常時女性勤労者300人以上または常時勤労者500人以上雇用されていれば、使用者は職場に保育園を設置したり、地域の保育園と委託契約を締結して勤労者の保育を支援しなければなりません。
ŸŸ これまで義務未履行であっても未履行事業場を公開するという措置のみが可能でしたが、201611日からは履行命令及び1億ウォン以下の履行強制金(1年に2回、毎回1億ウォンの範囲内)が課されることがあります。
III. 既存の施行拡大または変更
1. 採用手続の公正化に関する法律拡大の施行
ŸŸ 201511日から施行された採用手続の公正化に関する法律により、採用試験で不合格になった求職者が採用書類の返還を請求すれば、求職者はこれを返還しなければならず、求職者は求職者の返還請求に備えて一定期間採用書類を保管しなければなりません(第11条)。違反する場合、雇用労働部長官の是正命令及び300万ウォン以下の過料が科されることがあります(第17条第2項)。
ŸŸ 現在、上記法律は2015年現在、常時300人以上及び公共機関の場合に適用されていますが、常時100人以上300人未満の場合は201611日から、常時30人以上100人未満の場合は201711日から段階的に拡大します。
2. 妊娠勤労者の勤労時間短縮(勤労基準法第74条第7項)
ŸŸ 妊娠12週間以内及び36週間以降の女性勤労者が1日の勤労時間を2時間短縮申請する場合、使用者はこれを許容しなければならず、このような勤労時間短縮を理由に当該勤労者の賃金を削減することは許容されません。
ŸŸ 上記内容は常時300人以上の勤労者を使用する事業又は事業場の場合は2015325日から施行されてきましたが、2016925日からは常時300人未満の勤労者を使用する事業又は事業場にも拡大適用されます。
3. 健康保険料率の引上げ(国民健康保険法施行令第44条)
ŸŸ 職場の健康保険料率が20156.07%から2016年は6.12%に引上げられます。
4. 最低賃金額の引上げ(最低賃金法第10条第1項/雇用労働部告示第2015-39号)
ŸŸ 最低賃金額が2015年の時給5,580ウォンから2016年は6,030ウォンに引上げられます。
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