KIM&CHANG
Newsletter | July 2016, Issue 2
放送・通信
電子商取引法改正案
201633日、電子商取引等における消費者保護に関する法律(「電子商取引法」)改正案が国会本会議を通過し、同月29日に公布されました。今回の電子商取引法の改正は、役務・デジタルコンテンツに対する申込撤回権、通信販売仲介業者の責任、臨時中止命令制及び営業停止事由の緩和など、これまで議論されてきた事項が多数反映されただけでなく、住民登録番号の破棄など通信販売業者の速やかな措置が必要な事項も含まれています。
1. 役務及びデジタルコンテンツに対する申込撤回基準の設定(改正案第17条、第18条)
役務及びデジタルコンテンツは、無形という特性を持っている反面、電子商取引法は全般的に有形財貨の販売を前提としているため、その申込撤回規定をそのまま適用するのが難しいという問題が提起されてきました。
これにより、改正案は、(1)申込撤回の制限の事前告示及び(2)事前に試用商品を提供する等の措置を通じて、役務及びデジタルコンテンツの申込撤回の制限を許容するものとしています(ただし、可分的役務、デジタルコンテンツの場合、未提供の部分に対する申込撤回は許容されます)。
2. 通信販売仲介業者の責任の強化(改正案第20条の3)
これまで通信販売仲介業者は、消費者に対する一定の告知及び通信販売業者との約定の締結等を通じて、消費者に対する直接的な責任から免責されることができました。
しかし、今回の改正案は、通信販売仲介業者のうち申込受付や代金受領など重要な一部の業務を遂行する通信販売仲介業者の場合、当該業務に対して消費者に直接的な義務を負うものとしています。
3. 臨時中止命令制の導入及び制裁規定の整備(改正案第32条の2等)
今回の改正案は、(1)当該サイトを通じて、虚偽または誇張した事実を知らせたり、欺瞞的な方法を使用して消費者を誘引したり、申込撤回等を妨害する行為(電子商取引法第21条第1項第1号)がなされたことが明白で、(2)消費者に財産上の損害が発生し、(3)多数の消費者に損害が拡散するおそれがあり、これを緊急に予防する必要がある場合、臨時的に当該サイトの全部または一部を遮断することができる臨時中止命令制を導入する内容を盛り込んでいます。
また、今回の改正案は、営業停止要件を一部緩和し、現場への進入遅延など物理的な調査妨害に対する刑事処罰規定を新設し、営業停止命令違反に対する罰則も引き上げました。
4. 通信販売業者が保存できる個人情報から住民登録番号を除外(改正案第6条等)
電子商取引法上、通信販売業者は、取引記録に、取引主体を識別できる個人情報の一つとして住民登録番号を保存することが許容されていましたが、今回の改正案は、住民登録番号を通信販売業者が保存できる個人情報から除外しました。
公正取引委員会は、本改正案施行後3ヶ月以内に、これまで保存していた住民登録番号を全て破棄しなければならないと明らかにしました。
今回の改正案は、上記事項以外にも、ポータル事業者など電子掲示板サービス提供者が提供するコミュニティサイト及びブログ等の電子掲示板を通じた電子商取引に関連する電子掲示板サービス提供者の義務を強化する等の内容を盛り込んでいます(改正案第9条の2)。
改正法律は、原則として公布後6ヶ月経過日である2016930日から施行されますが、付則により一部規定は公布日から施行されます。
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