KIM&CHANG
Newsletter | July 2016, Issue 2
金融
民法改正による根保証関連条項の新設
201624日の改正民法の施行により、保証の方式及び要件等を規律する条項が新たに導入され、上記の施行日以降、新たに締結されたり、期間を更新する保証契約に対して適用されることになりました。その主な内容とこれにより現在市場で一般的に使用されている保証書に関連して提起され得る争点は、下記のとおりです。
保証の方式及び根保証の債務極度額の記載に関する新しい規制
改正民法は、根保証を含む一般保証契約の方式に関連し、保証書は保証人の記名捺印または署名のある書面により、その保証の意思が表示されて初めて効力が発生すると定めており、その一方で、保証の意思が電子的形態で表示されたものだけでは、効力が発生しないことを明示的に規定しています。なお、取引当事者らが保証債務の内容を保証人に不利に変更する場合にも、上記のような方式に関する規制を遵守しない限り、その効力がないと明示しています(民法第428条の2)。
また、改正民法は、根保証に関する明示的根拠規定を新設し、いわゆる包括根保証と呼ばれる不特定多数の債務に対する保証の有効性を認めながらも、保証人が予想できなかった過度な責任を負うといった結果を防止するという趣旨で、このような根保証が有効になるためには、必ず書面にて債務極度額を記載しなければならないという要件を付加しました(民法第428条の3)。
本改正に関する今後の見通し
今回の民法改正の前にも、保証人が過度なリスクを負うことを防止するために、保証人保護のための特別法(「保証人保護法」)が施行され、保証に対する一定の規制をしてきましたが、これは個人である保証人の対価のない好意に基づく保証に対してのみ適用され、法人である保証人に対しては適用されませんでした。したがって、市場で頻繁になされる企業の保証(特に、海外子会社の現地金融に対する国内親会社の保証)に対しては、保証人保護法による規制は適用されていませんでした。
しかし、今回の民法改正により、一定の会社(国内・外国会社を問わず)が根保証を提供する際にその契約の準拠法を韓国法とする限り、保証契約の締結方式及び債務極度額の記載など一定の規制を受けることになりました。例えば、既に締結した韓国法を準拠法とする根保証契約の債務の極度額が書面にて記載されていなかった場合、201624日以降にこれを更新する時、債務の極度額を書面にて明示しなければ、被保証債務の範囲を特定することが容易か否かに関係なく、更新された根保証契約は無効となる可能性があります。
それ以外にも、今回の改正民法で新設された根保証関連の条項は、通常の保証書でよく使用されてきた免責条項ないし損害担保条項の解釈ないし効力に対しても、一定の影響を及ぼすものとみられます。通常の保証書に含まれる免責条項ないし損害担保条項は、被保証人の主債務が一定の事由により無効、取消、免除または縮小されても、債権者が保証人に対しては、本来の被保証人の主債務全額に該当する金額を請求できるようにする機能を遂行してきました。しかし、今回の改正民法の施行に関連し、主債務の実際の発生金額が保証契約書の締結時に合意した債務極度額を超える場合、既に使用されてきた免責条項ないし損害担保条項に基づき、その超過金額の支払を保証人から受けることができるかどうかについて議論の余地があり得るため、一方では、免責条項ないし損害担保条項の効力に関する裁判所の判断を見守り続け、当初根保証契約の締結時に、債務極度額をより慎重に決める必要があります。
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