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Newsletter | November 2016, Issue 3
金融
金融消費者保護基本法制定案の立法予告
金融委員会は2016628日、「金融消費者保護基本法」制定案(「制定案」)を立法予告しました。今回の制定案では、金融監督院の権限及び課徴金賦課の限度を拡大し、金融消費者の損害額推定条項を新設するなど、既存の法律に比べて規制水準を拡大しています。 主な内容は次の通りです。
1. 貸付等の契約撤回権及び違法な販売行為で締結された契約の解約権の導入
制定案は、金融商品販売業者(他の金融関連法律により金融商品の販売及び販売の代理・仲介を業として行うことができる者)と大統領令で定める貸付性商品に関する契約を締結した一般金融消費者は、貸付金の受領日から14日以内に書面などでその契約を撤回することができるようにし、金融消費者に対して、締結した契約に対する熟考及び最適商品の探索期間を付与しました。また、金融消費者が金融商品販売業者の説明義務違反、不当勧誘、不公正営業行為などの違法な販売行為によって契約を締結した場合、5年以内に書面などで契約の解約を要求できるようにしました。
2. 金融消費者の権利救済方法の拡大
制定案は、金融消費者の権利救済を容易に行えるように、紛争の調整及び訴訟の遂行時、金融消費者の金融会社保管資料に対する写しの交付権、閲覧権、聴取権などを保障しています。また、請求額が2千万ウォン以下の少額事件に関して紛争調整手続が開始される場合、当該紛争調整手続が完了するまで金融会社が別途訴えを提起できないようにしており、請求額が2千万ウォンを上回る事件に関して紛争調整手続と訴訟手続が競合する場合、裁判所の決定により訴訟手続を中止できるようにしています。また、不完全販売に関する損害賠償訴訟において、適合性原則、適正性原則及び説明義務の不履行に関して金融会社に故意・過失がないことを金融会社が自ら立証することとし、立証責任を一部転換しました。
3. 金融商品販売行為に対する規制及び制裁の拡大
制定案は、現行の個別の金融関連法令での規定に比べ、金融商品販売行為に関する規制を強化しており、違反時の制裁水準も引き上げられました。貸付性商品の販売にも適合性・適正性原則を適用し、説明義務が課される事項を拡大しており、不公正営業行為の禁止類型も拡大しています。これとともに、金融会社が金融商品販売に関する規制に違反する場合、当該違反行為による収入の50%まで課徴金を課せるようにする一方、金融消費者が当該契約を解約できるようにしています。また、監督当局は、金融消費者の財産上の被害が発生する恐れがある場合、当該金融商品の購買勧誘や販売を禁止することができるようにしています。
4. 金融消費者に対する事前の情報提供義務の拡大
制定案は、金融商品に関して金融消費者に提供される情報の範囲を拡大しています。金融委員会は、金融商品の類型別にその主な内容を比較公示することができ、金融監督院は、金融会社の金融消費者保護実態を評価し、その結果を公表できるようにしています。また、金融商品販売代理・仲介業者、金融商品諮問業者が金融商品の販売業務に関して金融商品販売業者から受け取る手数料、報酬などの対価も金融消費者に知らせるようにしています。
5. 個別の金融関連法令に散在している金融商品販売に関する規制を統合し、金融消費者の立場で同一機能の商品に対しては同一の規制が適用されるように体系を変更
制定案は、金融会社が取り扱うすべての金融商品及びサービスをその実質的機能によって預金性商品(預金などの元本保証性商品)、投資性商品(投資収益が発生する元本非保証性商品)、保障性商品(長期間の保険料の納付後、保険事故の発生時に保険金が支払われる商品)、貸付性商品(金融会社の貸付後、元利金を償還する商品)に分類し、各商品別に適合性原則、適正性原則、説明義務、広告規制などの金融会社の販売に関する規制を個別に定めています。
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