KIM&CHANG
Newsletter | April 2015, Issue1
公正取引
ネイバーの市場支配的地位の濫用行為に対する行政訴訟事件の大法院判決
公取委によるネイバーの市場支配的地位の濫用行為などに対する是正命令及び課徴金賦課処分に関連し、大法院は20141113日、上記是正命令及び課徴金賦課処分を取り消したソウル高等法院の判決に対する上告審で原審判決を受け入れ、公取委の上告を棄却する判決を言い渡しました。
公取委は、ネイバーが動画コンテンツ供給業者(contents provider)とこれらが保有している動画コンテンツに対する索引データベース提供契約を締結する際に、動画内に広告の掲載を禁止する取引条件を設定した行為が公正取引法第3条の21項第3号の「市場支配的事業者が他の事業者の事業活動を不当に妨害する行為」に該当するとみました。これに対して大法院は、次のような理由で公取委の処分は不当であると判断した原審判決を受け入れました。
関連商品市場
公取委は、インターネットポータルサイトがほとんど1S-4Cサービス(Search、Contents、Communication、Community & Commerce)を基盤に似たようなサービスを提供している点などを根拠に、「インターネットポータルサービスの利用者市場」に関連市場を画定しました。
これに対して原審裁判所は、本件行為はネイバーの検索サービスを通じて動画コンテンツ供給業者と利用者を仲介する過程でなされたもので、市場支配力地位の濫用かどうかを判断するに当たっては、ネイバーが動画コンテンツ供給業者と自身の利用者を仲介する市場で市場支配力を持つかどうかを判断しなければならない点などを根拠に、公取委の関連市場の画定は不当であると判断しました。
不利益の強制行為の不当性
原審裁判所は、不利益の強制行為の不当性は、その不利益の強制行為によって特定事業者が不利益を受けたという事情だけでは、その不当性を認めるに足りず、(1)市場での自由な競争を制限することによって人為的に市場秩序に影響を与える意図や目的が必要であり、(2)客観的にもそのような行為であると評価されなければならないが、本件広告制限行為により動画コンテンツ供給業者の広告収益が減る可能性があるという事情は、ネイバーの本件行為によって動画コンテンツ供給業者が受ける具体的な不利益に過ぎないという点などを根拠に、現実的に競争制限の結果が出たとはみ難く、競争制限の意図や目的があったともみ難いと判断しました。
本件において、当事務所はネイバーを代理し、勝訴判決を引き出しました。
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