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Newsletter | September 2014, Issue3
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訴訟
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瑕疵のある自動車に対する新車交換請求の認定要件に関する初の大法院判決言渡し
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韓国大法院(最高裁判所)は最近、瑕疵のある自動車に対する新車交換請求の認定要件を判断し、新車交換請求を認容したソウル高等法院の判決を破棄しました。新車交換請求の認定要件について判断した国内初の事例です。
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本事案では、自動車の計器盤が故障した原告が、計器盤を交換する内容の整備を受けることを拒否し、新車に交換するようにとの訴訟を提起したものです。もちろん、計器盤を交換する整備方法を取ればその瑕疵はすべて治癒され、無償保証修理期間中であったため原告は無償で計器盤を交換することができました。
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原告の法律的な請求原因は、民法上の瑕疵担保責任の一種である完全物給付請求権でした。すなわち、売り手は瑕疵のある自動車を販売したので、瑕疵のある自動車の返還を受け、瑕疵担保責任によって完全物(新車)に交換するようにとの請求です。また、原告は売り手である販売会社(ディーラー)のほかに、販売会社に自動車を販売した輸入会社に対しても販売会社と連帯して上記の義務を履行するよう請求をしましたが、その請求原因は、輸入会社が品質保証書を交付する方法で販売会社の上記瑕疵担保責任を保証したというものです。
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このような請求は先例のない事案なので、事実関係はもちろん、法理的な面でも多くの攻防がなされました。
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原審であるソウル高等法院(高等裁判所)は、原告の請求が信義則に反したり権利濫用に該当するという特別な事情がない限り、販売会社は完全物給付義務を負い、輸入会社もまた品質保証書の交付を通じてこのような販売会社の義務を黙示的に保証したと判断し、原告の請求を認容しました。
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しかし、大法院の判断は違いました。大法院は、売買目的物の瑕疵の程度、瑕疵修繕の容易性、瑕疵の治癒可能性、完全物給付の履行によって売り手に及ぶ不利益の程度などの様々な事情を事案ごとに考慮したとき、売買目的物の瑕疵が軽微で、修繕等の方法によっても契約の目的を達成するのに特段の支障がない反面、売り手に瑕疵のない物の給付義務を負わせると、他の救済方法に比べて過度に大きな不利益が売り手に発生する場合には、完全物給付請求権の行使を制限するのが妥当であると判示し、本事案の場合は完全物給付請求権を制限するのが法理に適うと判断しました。すなわち、大法院は、原審であるソウル高等法院の判断とは異なり、信義則に反したり権利濫用に至らなくても、上記のような要件が成立すれば買い手の完全物給付請求権を制限しなければならないと判断したのです。
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また、輸入会社の保証責任に関しても、輸入会社が品質保証書によって瑕疵に対する責任を負うのは事実であるが、輸入会社が品質保証書に基づいて民法上の瑕疵担保責任を保証する内容であるとみることはできず、本件で原告が主張する瑕疵は、上記の品質保証書の適用対象である「乗用車の走行及び安全度等にかかわる重大な欠陥」に該当するとみることはできないという理由で、輸入会社の保証責任を否定しました。
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当事務所は、先例のない本件に対する深い法理分析結果を提出し、本件自動車の瑕疵内容に対する具体的な技術分析を通じて、本件瑕疵は走行及び安全度等にかかわる重大な欠陥とはみられず、その瑕疵は治癒が可能で、治癒するのに時間も費用もほとんどかからない反面、新車に交換する場合、新車出庫後の自動車価値の下落によって売り手に過度に大きな不利益がもたらされるという点を効率的に立証することで、大法院で勝訴判決を勝ち取るのに成功しました。
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本件は、自動車を含むすべての工業製品に対し、製品の瑕疵を主張して新しい製品に交換するようにという消費者の請求に対する販売会社の責任を判断する先例的な判決として作用するものとみられます。さらに本件は、輸入された製品に対する品質保証書の解釈と、これによる責任の発生に関しても重要な判断基準になるとみられます。結局、大法院が判断した上記の法理をもとに、具体的な瑕疵の内容に対する深い技術的分析を通じて裁判所をどのように説得するかという点が勝敗を左右するカギになるとみられます。
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