KIM&CHANG
Newsletter | June 2014, Issue 2
知的財産権
特許法条約を反映した特許法改正案
政府は2013年9月5日、各国の特許制度の統一を目標とする特許法条約(Patent Law Treaty、PLT)の内容を反映して、外国語で発明内容を記載して特許を出願する場合にも出願日を認める外国語特許出願制度の導入等が含まれた特許法一部改正法律案(以下「改正案」)を国会に提出しました。この改正案は、現在所管委員会である産業通商資源委員会に回付され、法律案小委員会に上程されています。
改正案で特に注目すべき事項は、「外国語特許出願制度」の導入です(改正案第42条の3)。現行特許法は、先に出願した者に特許権を付与する先願主義を採択しており、早く出願日を確保することが何より重要です。ところが、現行特許法は、出願日を認められるためには、韓国語で作成された明細書を特許出願書と共に提出するようにしており、外国語で作成された発明の場合、これを韓国語に翻訳するのに時間がかかる分、特許出願日が遅れるという問題点があります。改正案に導入された外国語特許出願制度は、産業通商資源部令で定める外国語(現在のところは英語のみ)で発明の内容を記載して特許出願書と共に提出しても特許出願日を認められるようにするもので、出願人の便宜を図れるようにしました。
その他にも、改正案では国際特許出願に関連して、①韓国語翻訳文の提出期間を延長(改正案第201条第1項)、②韓国語翻訳文の訂正制度を導入(改正案第201条第6項)、③明細書の補正基準も変更(改正案第208条第3項)、するようにしています。国際特許出願の国内参入のために必要な韓国語翻訳文の場合、現行特許法によると国内参入をいつ決定するかに関係なく、優先日から2年7ヶ月となる日までにこれを提出しなければなりませんが、改正法は出願人が国内参入の意思を表明する際に韓国語翻訳文の提出延長申請をすれば、その提出期間を1ヶ月間延長できるようにしました。そして、現行特許法が国内書面提出期間にのみ許容する新たな韓国語翻訳文の提出を、補正のできる期間にも許されるようにし、明細書の補正範囲を現在の「国際出願日に提出された外国語明細書とその韓国語翻訳文の共通範囲」から「外国語明細書の範囲」に拡大することで、翻訳過程における単純な誤記・誤謬によって特許出願が拒絶されるなどの問題を解消できるようにしました。
改正案は、今後国会審議の過程で一部の内容が変更される可能性がありますが、来年初めの施行を目標としていると言われています。今回の改正案は、外国語特許出願制度の導入等のような実務上重要な内容を多数含んでおり、今後改正案の処理に注意を傾ける必要があります。
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