KIM&CHANG
Newsletter | December 2013
企業一般
PEF課税に関する大法院判決
Cayman諸島のLimited Partnership(「Cayman LP」)を通じて韓国企業に投資した場合、譲渡所得の課税に関連し、最近韓国大法院(最高裁判所)はCayman LPのLimited Partnerではなく、Cayman LPそのものを譲渡所得の実質的帰属者とみるべきであると判断しました。
本事案において、譲受人である原告はCayman LPが設立したマレーシア・ラブアン所在の法人から内国法人の株式を譲り受けた際、譲渡所得に対する法人税の源泉徴収をしませんでした。しかし、課税官庁はラブアン法人及びCayman LPを譲渡所得の実質的帰属者とはみることができないとみてこれを否認し、Cayman LPのLimited Partnerを譲渡所得の実質的帰属者とみて、その居住地により租税条約などに基づき源泉地国の課税義務が免除されない国家に居住するLimited Partnerが得た譲渡所得に対し、原告に源泉徴収分の法人税を納税告知し、譲受人は上記納税告知処分に対し、不服手続を行いました。
これに関し、大法院は次のような理由により原審判決を破棄、高等法院(高等裁判所)に差戻して再審理させました。
外国の法人格のない社団・財団その他団体が、これを法人税法上の外国法人とみることができるのであれば、その団体を納税義務者として国内の源泉所得に対し法人税を徴収しなければならない。
当該団体を法人税法上の外国法人とみることができるかどうかは、団体が設立された国家の法令内容と団体の実質に照らし、韓国の司法上の団体の構成員から独立した別個の権利・義務の帰属主体とみることができるかどうかにより判断しなければならない。
Cayman LPは(1)共同事業から得た収益を分配する目的で設立された点、(2)ファンドの日常業務を執行して無限責任を負うGeneral Partnerと、ファンド運営に積極的に関与しない消極的投資家として投資限度内でのみ責任を負うLimited Partnerで構成されている点、(3)理事任命権など企業価値を増大するために支配株主として内国法人の経営に参加した点などを考慮すれば、Cayman LPは明確な事業目的を持って設立された営利団体とみなければならない。
原審は、Cayman LPを法人税法上の外国法人とみることができるかを審理し、株式譲渡所得に対しCayman LPを納税義務者とするか、Cayman LPのLimited Partnerを納税義務者とするかを判断しなければならない。
大法院は本判決を通じて、既存の判例において直接的に判断していなかった(1)Cayman LPを譲渡所得の実質的帰属者とみなければならないという点、及び、(2)Cayman LPが法人税法上の外国法人に該当するという点をより明確に判示しました。特に、本判決は納税義務者がLimited Partnerに関する情報を公開していなかった既存の大法院判決の事案とは異なり、(1)納税義務者がすでにLimited Partnerの税法上の居住地に関する情報を公開していたという点、(2)課税官庁によってLimited Partnerの居住国を基にした租税条約の適用に関する申請がすでに受け入れられているにもかかわらず、Limited Partnerを譲渡所得の実質的帰属者と判断した点において大きな意味を持つののとみられます。
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